#Me Too #We Too #With You~セクハラ・パワハラのない社会に向けて
経緯
狛江市役所で起きたセクシャルハラスメントは残された文書によると
「エレベーター内でお尻を触られた」
「夜に誘われることが多く困っている」
「●●から自席に電話が入るので他の職員も●●が誘っていることは知られている」
「●●が口をつけたグラスのお酒を飲まされて困った」
「嘱託が宴席で●●から肩や胸も触られて困っている」
などの相談が複数寄せられていたことが分かります。その対応を
「●●には週明けに副市長からやんわり言うことになった」としていることから、セクハラ行為者は市長ではないか、と議会で追及されました。
市長は責任者として被害者への謝罪、真相解明や市政への信頼回復の道筋を示すべきでしたが、自身にかかる疑惑を晴らすことに終始。マスコミのインタビューに答えて
「身に覚えがない」
「性的関心を持って職員に接触したことはない」
「一種の一家意識で、狛江一家みたいな、家父長的な立場」
「自分は九州男児で献杯返杯はひとつの文化」
「(口をつけたグラスで飲むことは)皆は喜んでいるのでこれはレアケース」
「文書は職員が想像を交えて書いたもので正確性に欠ける」
といった発言により一層の混乱を招きました。
真相解明が進まないなか迎えた議会最終日、辞職勧告や百条委員会設置を求める動議も市長擁護派によって否決され、議会としての機能も果たせないまま、市長自ら提案した給与20%2か月減給案が可決され幕引きを迎えました。私が2か月20%減給の根拠について質問したところ、市長は「どの程度、あがなえば良いのか考えて提案した」と答え、セクハラ行為を認めたのではなく市政を混乱させたことへの措置であるとしています。
この間、超党派の狛江市女性議員有志6名(共産、民進、社民、生活者ネット)は第三者機関による調査と再発防止策を求める声明を市長に渡し、市民への呼びかけや署名活動を行いました。
文書の信憑性をめぐる攻防
議会後の定例会見で市長は「文書が拡散されたことで被害者の二次被害へとつながった。職員への聞き取り調査によって虚偽が判明した場合は、文書を残した職員に懲罰を与える」として内部調査を命じましたが、調査の結果、総務部長が「文書の内容に誤りはない」と公式に発表しています。相談内容を残した職員と共に庁内では隠蔽がなかったことは評価されるべきことであり、ましてや市長による懲罰などあってはなりません。
また自治労狛江市職員組合ニュースでは「今回の市長の議会での答弁や記者会見の記事を見て、改めて組合に加害者は市長であるという相談が複数寄せられています。組織のトップに加害者が居座り続ける限り、被害者である職員は安心して仕事を続けられる状況にはないのです。」として組合員に配布し、職員側と市長の主張は対立を深めています。
性と人権
セクハラ行為に対する意識の低さや認知のずれ、責任転嫁、公文書の扱いの軽さ、加害者に都合の良い調査、被害者が名乗り出ることの難しさを知った上での否認など、財務省で起きていることと狛江で起きていることは本質的に同じです。金銭授受を伴う女性との関係で辞任した知事や高校生への強制わいせつで書類送検された芸能人など「性と暴力」のニュースが後を絶ちませんが、一方でハニートラップ、自己責任、売名などという、被害者バッシングがSNSだけではなく麻生大臣はじめ政治家から聞こえてくるのは看過できません。
【セクハラ被害者へのバッシングを許さない!4.23緊急院内集会】
財務省のセクハラ疑惑を受け、弁護士や研究者、記者らが集結して、被害者へのバッシングや孤立を防ぐにはどんな法整備が必要か話し合われました。多くのネット議員が実行委員会に名を連ね、女性部会の呼びかけによって私も参加し、佐藤香さんの計らいで狛江の実情を報告することが出来ました。実行委員のひとりである上智大学の三浦まりさんは「被害者バッシングは加害者が責任を取らないための、責任転嫁するためのしくみ。次世代にこんな思いをさせてはならない。」と会を締めくくりました。
狛江市における複数のセクハラ被害者は今もなお怯えながら仕事をしています。加害者だけが守られるしくみを変えていかなければなりません。勇気をもって相談した被害者に敬意を表すとともに、一日も早い真相解明と人権が守られる職場環境の整備を求め今後も活動を続けます。
(山本あき子)