「【共謀罪】(テロ等準備罪)法の廃止を求める意見書についての陳情」と意見陳述

5月からあらたに総務文教委員会に所属することになりました。

コッカイオンドクで金田元法務大臣役をしました

7月26日に行われた委員会には「【共謀罪】(テロ等準備罪)法の廃止を求める意見書についての陳情」が市民から提出されました。陳情の要旨は、6月5日に国会で成立した「テロ等準備罪」法の廃止を求める意見書を採択し、国会に提出して欲しいというものです。狛江市議会では議会の在り方を検討する中で 2016年第4回定例会より、陳情を提出した方は委員会において意見陳述ができることになりました。休憩時間中ではない(!?)、委員会での意見陳述は今回が初めてでした。

委員会当日、陳情提出者のAさんが述べられた反対理由は以下4点。

  1. テロ犯罪抑止のためという根拠が成立しない
  2. 「準備」とは何かの定義の危うさ
  3. 採択の異常性
  4. 監視社会の恐ろしさ

さらに中東に留学されていた経験から

「中東ではSNSやメールはもちろん、日常会話も監視されていますし、近所の食料品店で何を買ったかなども情報として取り扱われます。自分の意見をこの人に言っても大丈夫かということに不安を感じ、人々は窒息寸前の息苦しさと疑心暗鬼の中で生きていました。外国人の私はよく、君は自国へ帰れば自由に意見を述べられる民主主義の国に生きられてうらやましいと言われました」と話されました。

私はAさんの実体験からくる言葉に胸を打たれたのですが、特にこのような監視社会では安心して子どもを育てられない。日本が、もの言えない社会になっていくことを危惧する」という意見に対し、同じ母親としてまさにその通りだと思いました。

Aさんの意見陳述が終わったのち、ひとりの議員から「国会での審議は尽くされたとは言えない」などの賛成意見も出ましたが、反対の意見陳述はなし。その後の挙手による採決では、陳情に賛成の議員は私を含め3人、反対議員3人の可否同数になり、委員長の判断により「否決」となりました。

委員長が「否決」と言ったとき、傍聴席から「えーっなんでなんで?」という声が聞こえました。「否決じゃないよね?」との言葉も聞こえました。当日はAさんの他にも十数人の市民が傍聴をしていましたが、否決となった理由についてもっと知りたい様子がみてとれました。陳情者にとっては、市議会との距離を感じたと思います。

陳情はどなたでも提出できるしくみです。狛江市でも日ごろから、どうやったら市議会をもっと身近に感じて頂けるか、市民との対話をどう実現し議会改革を進めるかに取り組んでいるのですから、市民が委員会に出向いて意見や要望を伝えてくれる意見陳述という機会をさらなる対話へとつなげられたらと感じます。少なくとも、委員会で意見を述べて良かった、審議は尽くした、対話が出来たと思って頂くために何が出来るかを考えています。(山本あき子)

 

※「【共謀罪】(テロ等準備罪)法の廃止を求める意見書についての陳情」は狛江市議会HPでご覧になれます。