夜のまちを歩く~少女たちをめぐる性搾取

2017年1月10日 22時39分 | カテゴリー: 活動報告

JKビジネスという言葉をご存知でしょうか。JKとは女子高生の事で、2006年頃からメイド喫茶に代わるものとしてJKカフェ、JKリフレ、JK撮影会、JKお散歩など業態を変えながら警察の摘発を逃れ広がってきました。現役女子高生だけでなく10代の、主に女性が様々な性的サービスを行い、児童買春につながりやすいとして問題視されています。

先日、夜間巡回や同行などを通して少女たちへの支援を行う民間団体の副代表Iさんのガイドで「夜のまちを歩く研修会」に参加しました。そこで見たものは私の想像をはるかに越えた現実でした。
繁華街の大通りから一本奥に入った道では、3m間隔で何人も、アイドル風の格好やアニメのコスプレをした若い女性が立って客引きをしていました。私たちの横を制服姿の女子高生とサラリーマン風の男性がふたりで歩いていきました。
最近のアイドルは握手できる身近な存在として人気を集めています。JKビジネスも「アイドルにならない?モデルにならない?」とスカウトから声をかけられたことがきっかけになっている例が多いそうです。少女の好奇心や憧れを利用し、明るいエンターテイメントのような雰囲気で近づき、実際には性的サービスに従事させているのです。
スカウトはさらに「良いバイトがあるよ。簡単にお金が稼げるよ。寮があるから住むところも心配ないよ」と声をかけ食事と仕事と住まいを提供します。その先に性産業が待ちかまえているとも知らず、セーフティネットのような顔をした性搾取。巧妙に仕組まれた仕組み、大人が子どもを食い物にする仕組みがあります、とのIさんの説明に、研修の参加者たちは言葉を失いました。
まちなかでのスカウトの他に、インターネットのツイッターの影響も大きいと言います。ツイッターは個と個のつながりで、自分だけに話しかけられていると感じるので寂しさや承認欲求が満たされる、そのため相手をコントロールしやすいのだそうです。ツイッターで繋がってしまえば、時間をかけて悩みを聞き、信頼関係を築き、困り事に寄り添い、気がつくと性産業に誘導されている。サイバー警察もいるが、補導された後は家と学校に連絡され、悪いのは自分だと刷り込まれる。虐待やネグレクトの待つ自分の家に帰されても居場所はなく、自己肯定感も更に低下していて、またJKビジネスへと絡めとられていく。なぜなら、それしか生きる術を知らないからです。
彼女たちは生まれてから1度も信頼できる大人に遭った事なく、助けられたことも相談した事すらなく育って来ています。研修に参加してJKビジネスの実態と背景を知り、彼女たちがたったひとりで生き抜いていかなければならない現実を目の当たりにして、本当に申し訳ない気持ちになりました。性搾取が当たり前のように蔓延し、それをおかしいと思う感覚さえ麻痺していたのではないかと私も深く反省しました。
Iさんがおっしゃるように「家庭での虐待被害者である子どもが夜のまちで性搾取される」というループを裁ち切らなくてはなりません。
日本には買春のことを援助交際などと呼び、あたかも大人が少女を援助しているかのような印象を与えていますが大きな間違いであり、まさに性の商品化と性搾取であると共に人身取引 (ヒューマントラフィッキング)だと指摘しています。

山本あき子

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